問題16　（tomh　さん）　　問題編にジャンプ

物語編

【みっちの一人遊び】

みっちは、インターネット・カフェ"いっちむ"で、マスター・キーのいれてくれた

おいしいコーヒーを飲んでいた。■D_(^0^)

今日は相談事は一件もなく、くつろいだひとときを過ごしていた。

「う〜ん、幸せな時間だねぇ。退屈なくらいだよ」とみっちはつぶやくように

言った。そのつぶやきをマスター・キーは聞き逃さなかった。

「退屈ですか? それなら、カード（トランプ）があるので、お遊びになります
か?」

「遊ぶってといっても、マスターが相手をしてくれるの?」

「わたくしは他のお客様の給仕をしなければならないので、お一人でできる遊

びをお教えしますよ」とマスター・キーは言って、カードをカウンターのどこからか

取り出し、ゲームの説明を始めた。

「52枚のカードをよくきって、4枚1組の13組に分けます。それを丁度、時計の

数字のように円上に裏にして並べます。13組目は円の中心に、これも

裏にして置きます。時計の文字盤のようになるので、このゲームは

『時計』と呼ばれています」

実際にマスター・キーは、カードを13組に分け、時計の文字盤のように配置した。

「スタートは中央の山からです。山の一番下をめくります。出てきたカードの数字を

見て、その数字の場所、つまり、時計の文字盤での数字に相当する場所の

山の上に表を出して置きます。」

マスター・キーが真ん中の山の一番下からカードを取り出すと、それはハートの5

だった。マスター・キーは、そのカードを5時の位置にある山の上に置いた。

「Aは1、Jは11、Qは12、Kは13と読み替えます。スーツ（マーク）は関係ありません。

さて、今、カードを置いた山の一番下から、また、カードをめくります。そして、出た数

字にしたがってカードを置きます」

5時の位置の山の下からカードをめくると、今度はクラブのJが出てきた。

そのカードは11時の位置の山の上に置かれた。

「このくり返しです。カードがめくれなくなったら終了です。そして、52枚すべてをめくる

ことができたら、あがりとなります」

マスター・キーがゲームを続けてみると、20枚ほどが表向きになったところでKが4枚出

尽くして、ゲームは終了した。

「なるほど。カードを配置し終えたら、プレーヤーは何も考える余地はないんだね…」と

みっちは感心したように言った。

「その通りです。お分かりいただけたようなので、後はご自分でお楽しみ下さい」

マスター・キーは、カードをみっちに残して、仕事に向かった。


しばらくして、マスター・キーがみっちの所に戻ってきたとき、みっちは、まだ、ゲームを

していた。

「いかがです? 1回くらいはあがりましたか?」 とマスター・キーが尋ねた。

みっちは苦しい笑顔をマスター・キーに向けただけで、答えはしなかった。

その顔を見てマスター・キーは言った。「1回くらいはできてもいいと思うんですけどねぇ…」

「いや、このゲームはあがりにくいに違いないよ」みっちは自分に言い聞かせるように

吐き捨てた。
「そうだ、このゲームであがる確率を計算してみよう。きっと滅茶苦茶小さい値が出るよぉ」

みっちは、カードを放り出して計算を開始した…


（この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。 (^^; ）


問題編　　　解　答

問1　カードゲーム『時計』で、あがる確率はいくらでしょうか?

　　　　問2　カードゲーム『時計』で、ゲームが終了したときに残っている枚数の
　　　　　　　平均値は何枚でしょうか?
　　　　
　　　　カードゲーム『時計』で、あがれなかったときに次のような操作を行い、ゲームを続けてみます。
　　　　　　　　　「1時の山から順番に見ていって、最初に見つかった、まだすべてのカードが開いていない
　　　　　　　　山の一番下からカードをめくり、ゲームを続ける」 この操作のことを『ズル』と呼びましょう。
　　　　　　　　『ズル』を1回してもあがれない場合は、再び『ズル』を行うこととします。こうして、あがるまで、
　　　　　　　　『ズル』を繰り返して、強制的にあがることにします。
　　　　　　　　（もちろん、『ズル』の最大回数は12回になります）
　　　　　問３　『ズル』1回であがることができる確率はいくらですか?
　　　　　問４　　『ズル』2回でようやくあがることができる確率はいくらですか?

問題14　正解者一覧表