問題13 (tomhさん)解 答
問題のみ 読みたい方は物語編を読み飛ばしてください。
でもできるだけ ぜひ読んでくださいね。


物語編

【みっちのお宝探し】

*** 前口上 ***

インターネット・カフェ"いっちむ"、そこは普通のインターネット・
カフェと何ら変わったところはなかった。しかも、"コーヒーのうまい
店"として知られていた。
一つ奇妙な点を挙げるとすれば、その店は、みっちの行きつけと
いうことだろうか。
家庭でも職場でも自分の好きなときにインターネットができるはずの
みっちがインターネット・カフェに行く必要はないはずだった。
もっとも、コーヒー目当てという客も多かったので、みっちも
その一人と考えることもできないことはなかったが…

しかし、みっちがこの店に行く本当の理由は別のところにあった。
実は、みっちには妻にも職場の仲間にも秘密にしていることがあった。
それは、この店で数学のコンサルタントのようなことをしていること
だった。

クライアントは、"いっちむ"の主人マスター・キーが連れてくる。
そのクライアントが何処の誰かは、みっちにもわからなかった。
そもそも、マスター・キーの素性自体、みっちは詳しく知らなかった。
クライアントは、数学がらみの問題を抱えていて、それをみっちに
解いてもらおうとしていた。

みっちには、時々、マスター・キーから連絡が入り、
日時を指定してくるので、行けるかどうかの返事をする。
行けることになれば、みっちがその日時に"いっちむ"へ行けば良く、
行けなければ、新たな日時が連絡されてきた。

クライアントとみっちは、どちらも店内のコンピュータを使い、
チャットを通じて会話をする。しかし、クライアントには、
チャット相手が同じ店内にいることは知らされていない。
店内の個々の席はちょっとした壁で仕切られており、隣の人が
どんな操作をしているかは見えない。だから、クライアントは、
みっち(もちろん"みっち"という名前も教えていないが)がどこか
遠くからチャットをしていると思っているはずだった。
持ち込まれた問題は、その場で解けることもあれば、持ち帰って
数日後にマスター・キーに答えを渡して、相手に伝えてもらうことも
あった。大抵は前者で、問題解決の早さがみっちの自慢だった。

報酬も相手によって金額が違うようだった。マスター・キーは、
気に入らない相手だった場合はふんだくり、そうでない場合は
適当な金額を提示しているようだった。ときには、相手にまったく
報酬を要求しないときもあるらしかった。
#そのときに、マスター・キーが「私には仕事そのものが報酬
#なのです」などと言ったかどうかは不明…
みっちにはマスター・キーからお金が渡されることがある。
もっとも、大金であることは今までなかったが…

今日も"いっちむ"には、"数字の悪魔"や"図形の死に神"に取り憑かれ、
悩んでいる人間が訪れているだろう…


*** 本編 ***

「ということは、その国のどこかにお宝が埋められているわけですね?」
みっちは、コンピュータに向かって、このように打ち込んだ。
"いっちむ"の店内は、それなりに客が入っていた。今回のクライアントは、
みっちの席から3席離れたところにいた。しかし、そのクライアントは、
チャットの相手が同じ店内にいることを知らないはずだった。
「そうです。ある筋から、何百年も前の"宝の場所が書かれた文書"って
やつを入手したんです」と相手から返事が返ってきた。
「ところが、文書を解読して現地に行ったのですが、その文書に
書かれている、目印となるものがどうしても見つからないんです」
「目印とはどんなものなんですか?」とみっちは尋ねた。
「地中に埋め込まれた目印があるというのです。大きさは、そんなに
大きくありません。そう、丁度、この町にもある水準点の標識みたいな
やつです」
この文が画面上に現れたとき、マスター・キーが、みっちにコーヒーを
もってきた。■D_(^0^) オイチ〜ィ
相手は続けた。「そのうち2つの目印は何とか見つけたのですが、3つ目が
どうしても見つけられなかったのです。どうも、長い年月の中で、それが
何かを知らない者が破壊してしまったようです」
「3つ目の目印がないと、宝の場所はわからないんですね」
「ええ、その3つの点でできる三角形を使って、宝が埋まっている
場所を指定しているんです。ですから、3つ目の点が必要なんです!」
チャットを通しても相手の悲痛な思いが伝わってきそうだった。
「ふ〜む、普通は正三角形の位置にあったりするんですがねぇ」
「その位置は調べてみましたが、目印は発見できませんでした」
「見つかった2つの目印を結ぶ線の両側ともですか?」
「えぇ、正三角形をなす点、2つともです。目印の跡はありません
でした」
「それで、私に何をしろと?」
「宝の場所が、文書に書かれている方法から、ピンポイントでは
わからないにしても、その領域を絞り込むことができないかと…」
「なるほど。それで、その方法とはどんなものですか?」
クライアントは、その方法の説明を始めた。チャットには、図なども
表示できる機能があったので、時々、手書きの図も使いながら
相手はみっちに方法を示した…

(この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係
ありません。 (^^; )



問題編

三角形ABCがあります。但し、三角形ABCは正三角形ではありません。
この三角形ABCの辺AB上にABの長さを一辺とする正三角形ABDを、点Dが
三角形ABCの外側くるように描きます。同じように辺BC上にはBCの長さを
一辺とするような正三角形BCEを、辺CA上にはCAの長さを一辺とする
ような正三角形CAFを、それぞれ、点E、点Fが三角形ABCの外側に
なるように描きます。このとき、3つの三角形の対応を
△ABD∽△BCE∽△CAFとします。
さて、三角形ABDに対して、ある位置に点Pを置きます。
(点Pは三角形ABDの内部とは限りません。辺上や外側もありえます。)
そして、三角形ABDと点Pの位置関係を、三角形BCEの相似の位置に
写すことで点Qを置きます。
(つまり、三角形ABPと三角形BCQが相似になるなど、対応するものが
すべて相似になるということです。)
三角形CAFに対しても同じように点Rを置きます。
すると、三角形PQRは正三角形になりました。
ところが、実は点Cの位置はわかりません。このとき、点Pの置くことが
できる可能性のある領域はどこでしょうか?

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最初の三角形ABCが正三角形だと、点Pの可能な領域は全平面に
なってしまうので、正三角形ではないとしました。 (^^A

問題13 正解者一覧表

順位 お名前 メール到着日
第1位 高田修成(修徳学院) さん 2002.12.15
第2位 なか さん 2002.12.15
第3位 有無相生 さん 2002.12.16
第4位 nobu さん 2002.12.16
第5位 数が苦 さん 2002.12.17
第6位 Non さん 2002.12.04
第7位 たかまつ ろろ さん 2003.01.09
第8位
第9位
第10位
第11位
第12位