問題9解答 (ヨッシーさん)
問題
f(x)はすべての係数が整数であるN(Nは2以上の整数)次式とします。
曲線y=f(x)と直線y=mx+nとの交点が二つ以上存在し、交点の中で、
x座標が整数であるものが二つ以上存在した場合、m、nともに整数であ
る事を示して下さい。

(問題9は一部問題文を訂正いたしました。問題文の意を汲んで解答していただいた
ものは 訂正前のものでも正解とさせていただきます)

解答
まず、交点のうちのx座標が整数である交点二つをそれぞれA、Bとおき、
それらの座標をそれぞれ、A(a,f(a)),B(b,f(b))とおく。(a,bは整数)

ここで、g(x)=f(x)-f(a)/(x-a)とすると、f(x)-f(a)は因数定理により、x-aで割
り切れる事が分かる。 よって、g(x)は整数係数の整式になる。

m=f(b)-f(a)/b-a=g(b)となり、g(b)は整数なので、mは整数となる。
さらに、n=f(a)-ma(またはf(b)-b)でf(a),m,aともに整数なので整数になる。

ここで問題となるのが整数係数の式をx-aで割リきったときにg(x)が整数係数の
整式になるかどうかということでしょう。

その証明を書きます。
整数係数の式f(x)-f(a)=(x-a)(A0x^n+A1X^(n-1)+…+An)で表されるとき
各Akがすべて整数であることを証明します。
k=0のとき A0は整数係数の整式f(x)-f(a)の最高次数の係数と同じであるから 整数
k<=iの時 Aiがすべて整数であるとする。
   k=i+1のとき 右辺のx^(n-i)の係数は (Ai+1)-a×Aiであり整数となっている。
            -a×Aiは整数であるから Ai+1も整数となる。
     よってk=i+1の時も成立する。
数学的帰納法により すべての係数は整数となる

解答2
f(x)=ax^n+bx^n-1+cx^n-2・・・+dx+e
x座標が整数である2交点を(p,q) (r,s) とすると、
f(p)=q=ap^n+bp^n-1+cp^n-2・・・+dp+e (1)
f(r)=s=ar^n+br^n-1+cr^n-2・・・+dr+e (2)
q=mp+n (3)
s=mr+n (4) となる
(3)-(4)より、
q-s=m(p-r) よってm=q-s/p-r
また、(1)(2)より、
m=a(p^n-r^n)+b(p^n-1-r^n-1)+c(p^n-2-r^n-2)・・・d(p-r)/p-rとなる
a,b,c・・・dとp,rは整数なので、
p^n-r^n(n:自然数)がp-rで割り切れることを示せばよい
割ってみると、
p^n-r^n/p-r=p^n-1+p^n-2*r+p^n-3*r^2・・・p*r^n-2+r^n-1
となり、割り切れるので、mは整数
また、q,sは整数になるので、nも整数となる