問題6 (tomhさん)

後日談

みっちは、家に着くと計算を続けた。…結果は、裏手の家に行くときが、一番迷いやすいという妻の言うことを裏付けるようなもの
だった。こんな結果を妻に告げるわけにはいかなかった。幸い、妻は最初から関心が薄いようだったので、こちらから蒸し返さな
ければ忘れてしまうだろう。みっちは、このことにはもう触れないことに決めた。そのときだった、妻がお土産のお菓子とお茶を持っ
て、不意にやって来た。
「お土産よぉ。…あら、それ、さっきの問題?」
”しまったぁ!! (><)”とみっちが思ったが、妻はすでに計算用紙を取り上げて、最後の結果を見ていた…

感想編
tomhさん
さて、この問題はこの√2っていう誤答が予想されるわけですが、私の予想では、最初の回答でこれを答えられる方はおよそ4割
と予想します。本当は5割かなとも思いますが、「みっちの隠れ家」に集う皆さんは#つわものが多いから、敬意を表して4割にし
ましょう。ま、統計的に有意なだけの人数が回答してこなきゃ意味ないですけど。とりあえず。

 (2…一発正解!):(√2…お釈迦様の手の上):(その他)= 0:1:0

高橋
私は最初 Tの場合しか考えず見事にtomhさんのわなにはまってしまいました。問題文の最後の「多分、簡単のはずですが…
でも、簡単なだけに油断するとミスります。」という文章はtomhさんの警告だったのですが、気がつかなかったのです。
わたしと条件を同じにするためにあえて掲載いたしました。
 これはやられました。回り道がないと思ったけど 回り道があったんですね。 なるほど 妻が近くのコンビニから帰れない理由が
わかりました。
 解答を出して 今 思えば問題文に近いところは迷うという伏線が張られているようです(^_^)
あと3:4:5の三角形を出して さも 直角三角形を考えろという誤った誘導とか、小数の点にして、例題で小数に注意せよという
警告を出してるとか> なかなかいろいろ考えてますね(^_^;)

解答編
tomhさんの解答
出発点Pの位置を(0,p) (0≦p≦1)、到着点Qの位置を第一象限の点(x,y) (0≦x,0≦y,xかyの
少なくとも一方は整数)としても一般性は失わない。

(1) 1<xの場合:
PからQまで、”道”の上をx座標、y座標とも(単調)増加するように辿ることができるので、
 L = (x-p) +yである。 また、 S = √((x-p)^2 +y^2)である。
このとき、uとvを任意の実数として、 2(u^2+v^2) = (u+v)^2 +(u-v)^2 ≧ (u+v)^2
より、u=x-p(>0)、v=y(>0)とすると、 T ≦ √2
がいえる。つまり、このとき、Tは√2を超えない。(等号成立は、x-p=yのとき。)

(2) 0≦x≦1の場合:
このとき、yは整数となる。そして、 L = y +min(x+p, (1-x)+(1-p)),
 S = y (≧1) となるので、0≦x+p≦2に注意して、
 T = 1 +[min(x+p, 2-x-p)]/y ≦ 1 +1/y ≦ 2
となるので、このとき、Tは2を超えない。
(等号成立は、x=p=1/2、y=1のとき。)

(1)と(2)より、Tの最大値は、出発点と到着点が平行な隣り合った
格子線同士の(隣り合った格子点を結んだ線分の)中点にあるときに
2となる。

高橋の解答
 必要なら平行移動、対象移動を駆使して0<=a<1、b>=0、c>=0となるa,b,cがあり A(a,0)、B(b、c) としてAからBへ向かうもの
として一般性を失わない。また、Sが小さいほうがTは大きくなるので点Aから点Bへ移動するときは回り道をしないとしてよい。
しかし、最短距離を進んでも、x軸の負の方向に移動しなくてはならないときと、そうでないときがあります。

T x軸の負の方向に移動しなくてよいとき      a=0 または b>=1 または b=0 であれば可能です。
このときは、b,cのどちらかが整数なので bが整数の時は、A(a,0)→C(b,0)→B(b,c)と進むとよいし、cが整数の時は、
A(a,0)→D(1,0)→E(1,c)→B(b,c)のように移動するとよいからです。(a=0 または b=0 のときの移動は省略)
このときのおのおのの移動距離はA→C→BがX軸方向に(b-a) y軸方向にc A→D→E→Bが X軸方向に(1-a)+(b-1)=b-a
Y軸方向にcとなっている(x座標の差 Y座標の差)ので、 p=b-a q=cと置いて考えることにします。
S=AB として、X軸とABのなす核をθと置くとsinθ=q/S cosθ=p/S となり、L=p+q=Ssinθ+Scosθから
T=L/S=sinθ+cosθ=√2sin(θ+45°)から この最大値はθ=45度のときに√2になります。  

U x軸の負の方向に移動しなくてはいけないとき 0<a<1かつ0<b<1の時となります。するとcは整数です。
 このときはA(a,0)→O(0,0)→C(0,c)→B(b,c)と移動するか、A(a,0)→D(1,0)→C(1,c)→B(b,c)と移動するかのどちらかで、
その両方の移動距離の和は道のりが作る長方形の長さ2c+2となっており、ABの最短の道のりLは、この半分より必ず小さいか
等しいことになり、L<=c+1(等号はAとBが長方形の中心に関して点対称の位置にあるとき)また Sはy座標の差cより必ず長く
なりますから S>=c。 (等号はx座標の値が等しいときです)
このとき、T=L/S<=(c+1)/cとなり 等号はa=b=1/2のときとなります。さらに (c+1)/c=1+1/cの最大はcが最小のときですから
A(1/2,0) B(1/2,1)のときに最大値2となります。
 
TUから 格子点で出来る最小正方形の向かい合う二辺の中点どおしの2点のときに 最大で2となります。