投稿問題1 解答 

3辺が全て整数の直角三角形の内接円の半径は、必ず整数となるでしょうか?
 (3,4,5) (5,12,13) (7,24,25)等有名なものについては、全てこの命題を満たしているようです。
成立しない例があれば、それを記してください


tekiさん

 直角三角形の3辺の長さを a、b、c とし、c>b≧aとすると、
 三平方の定理より、a~2+b~2=c~2 が成り立つ。
 ここで、a、b、cの偶奇性について調べると、
 @ a、bがともに奇数または偶数の時、cは偶数
 A a、bの偶奇性が異なる時、cは奇数     となる。
 次に、s=a+b+cについて考えると、@、Aいずれの場合もsは偶数となる。
 一方、直角三角形の面積Sは、内接円の半径をrとすると、
 S=1/2s*r=1/2a*bであるから、r=a*b/s…B となる。
 B式の分子と分母にa+b−c(>0)をかけると、
 r={(a*b)*(a+b−c)}/{(a+b+c)*(a+b−c)}
  ={(a*b)*(a+b−c)}/(a~2+b~2−c~2+2*a*b)
  =a*b*(a+b−c)}/2*a*b
  =(a+b−c)/2
  =(s−2*c)/2
 となり、s、2*cはいずれも偶数であるので、rは整数となる。

noetherさん

与えられた命題は真である。
[証明] B=90°の直角三角形ABCにおいて、各辺の長さが整数であるとする。
AB=x , BC=y , CA=z とおき、また内接円半径をr とおく。
当然ながらx^2+y^2=z^2 ・・・* が成り立つ。
三角形ABCの内心をIとおき、IからAB,BC,CA に下ろした垂線の足を それぞれP,Q,R とおく。
すると  AR=AP=x-r  CR=CQ=y-r だから、  z=x+y-2r  ∴2r=x+y-z となる。

よって、「rが整数」であることを言うには、 「x+y-z が偶数であること」つまり
「x,y,z のうち、奇数であるものは0個or2個」・・・★ を言えばよい。

さていま、 * ⇔ x^2=(z+y)(z-y) であり、また  
zとy が奇偶一致 ⇒ z+y,z-y はともに偶数 ⇒xは偶数  
zとy が奇偶反対 ⇒ z+y,z-y はともに奇数 ⇒xは奇数
だから、確かに★は成り立つ。 [証明おわり]


yuki さん

ピタゴラス数はm^2ーn^2,2mn,m^2+n^2(m,nは整数)であらわせる
これを利用した解答を2つ
1 面積はmn(m^2ーn^2)より   
  内接円半径は 2mn(m^2ーn^2)/(m^2ーn^2+2mn+m^2+n^2)             
            =2mn(m+n)(mーn)/2m(m+n)
                    =n(mーn) であるから整数となる
2 半径をxとし、直角をはさむ2辺をx+y,x+zとおくと、内接円の中心は角の二等分線の交点で
あることから          x+y=m^2ーn^2 ・・・(1)
                         x+z=2mn    ・・・(2)  
                 y+z=m^2+n^2 ・・・(3)    となる
             (3)ー(2)を(1)に代入して、x=n(mーn)

ハーリ・ポッターさん

a^2+b^2=c^2, ab/2=r(a+b+c)/2 より2r=a+b-c
またa^2=(c+b)(c−b)
以上より,a,b,cの整数の組み合わせは
奇数,奇数,偶数あるいは偶数,偶数,偶数の組み合わせしかないから,
2rは常に偶数になる.
従って3辺が整数の場合は内接円の半径も整数である.

清川 育男 さん

直角三角形の3辺の長さを、X、Y、Zとし、
X^2+Y^2=Z^2 とする。
この直角三角形の面積は、
X*Y/2 であり、内接円の半径をRとすると、R*(X+Y+Z)/2。
したがって、R=X*Y/(X+Y+Z)。
ピタゴラス数の一般式は、
A>Bとしたとき
X=A^2-B^2 Y=2*A*B Z=A^2+B^2
であるから、
R=B*(A-B)
内接円の半径Rは常に整数となる。

 直角三角形の3辺を自然数a,b,cとする.a,bを直角をはさむ2辺とすると,三平方の定理から,
  a^2+b^2=c^2
 a,b,cの最大公約数を1とする.
 a,bをともに偶数とすると,cも偶数となり,矛盾する.
 故にa,bの内,少なくとも一方は奇数である.
 a,bをともに奇数とし,a=2n+1,nは整数とすると,
  a^2=(2n+1)^2=4(n^2+n)+1
 故にa^2を4で割った余りは1である.同様にb^2を4で割った余りは1であるので,a^2+b^2を4で割った余りは2である.
 またc^2を4で割った余りは0または1であるから,これは矛盾する.
 故にa,bの内,一方は奇数で,他方は偶数である.またcは奇数となる.
 aを偶数,bを奇数とする.

浜田 明巳 さん

  a^2=c^2−b^2=(c+b)(c−b) であり,
  a^2=(c+b)(c−b)>0,c+b>0,b>0 から,
  c+b>c−b>0
 c+b,c−bの最大公約数をgとし,
  c+b=mg,c−b=ng,m,nは自然数で最大公約数は1,m>n とする.
  ∴a^2=(c+b)(c−b)=mng^2
 g^2≠0であるから,  mn=(a/g)^2
 (a/g)^2は有理数の2乗であり,mnは自然数であるから,
  a/gは自然数,mnは自然数の2乗 である.
  a=kg,mn=k^2,kは自然数 とする.
 m,nの最大公約数は1,m>nなので,
  m=p^2,n=q^2,p,qは自然数で最大公約数は1,p>q,pq=k
とすることができる.
  ∴a=kg=pqg,c+b=mg=p^2g,c−b=q^2g
  ∴a=pqg,b=(p^2−q^2)g/2,c=(p^2+q^2)g/2
 b,cは自然数なので,
  p^2−q^2とp^2+q^2はともに偶数,またはgは偶数
のいずれかが成り立つ.
 p^2−q^2とp^2+q^2がともに偶数のとき,
  p^2−q^2=2s,p^2+q^2=2t,s,tは自然数 とすると,
  a=pqg,b=sg,c=tg
 a,b,cの最大公約数は1なので,g=1
  ∴a=pq,b=s=(p^2−q^2)/2,c=t=(p^2+q^2)/2
 aは偶数であり,p,qの最大公約数は1なので,p,qのいずれか一方は
偶数であり,他方は奇数である.故にp^2−q^2,p^2+q^2は奇数となり,
  b=(p^2−q^2)/2,c=(p^2+q^2)/2
は整数にならず,矛盾する.
 故にgは偶数となる.
 g=2g',g'は自然数とすると,
  a=2pqg',b=(p^2−q^2)g',c=(p^2+q^2)g'
 a,b,cの最大公約数は1なので,g'=1
  ∴a=2pq,b=p^2−q^2,c=p^2+q^2
 b,cは奇数なので,p,qのいずれか一方は偶数であり,他方は奇数である.

 a,b,cの最大公約数が1であるという条件をはずすと,
  a=2kpq,b=k(p^2−q^2),c=k(p^2+q^2)
  p,q,kは自然数,p,qのいずれか一方は偶数,他方は奇数,p>qとなる.

 この三角形の面積をS,内接円の半径をr,
  s=(a+b+c)/2
とすると,
  S=sr
から,
  r=S/s
   =(ab/2)/{(a+b+c)/2}
   =ab/(a+b+c)
   =2kpq×k(p^2−q^2)/{2kpq+k(p^2−q^2)+k(p^2+q^2)}
   =kq(p−q)
 故にrは自然数である.

tomh さん

まず、直角三角形ABCの内接円の半径rが、
(*) r=(a+b-c)/2, BC=a,CA=b,AB(斜辺)=c
 (もちろん、a^2+b^2=c^2が成り立つ。)
となることを示しましょう。
内心Iから辺BC、CAに下ろした垂線の足をそれぞれP、Qとします。
r=IP=IQです。また、角IBPと角ICPはそれぞれ角B、角Cを
二等分していることに注意しましょう。
すると、三角形IBPはr=IP=BPなる直角二等辺三角形で、さらに
三角形IPCと三角形IQCは合同なので、QC=PC=a-rとなります。
同じようにして、QA=b-rです。CA=QA+QCですから、c=b-r+a-rとなり、
これを解いて、(*)が出てきます。

次にa、b、cが整数(自然数)のときの偶数・奇数を調べます。
a、bの偶奇の組み合わせは、偶ー奇(奇ー偶)、偶ー偶、奇ー奇の
3通りです。a^2+b^2=c^2の関係があるので、それぞれにおいて
cの偶奇が決まって、順に、奇、偶、偶です。
これらどの場合においてもa+b-cは必ず偶数になります。
よって、内接円の半径r=(a+b-c)/2は必ず、自然数です。
                                                   QED
(注意:上の3通りの中で「偶ー偶」は
”既約(この場合、互いに共通因数をもたないことです。)”でなく、
2で割り続けることで、「偶ー奇」に帰着できます。また、
「奇ー奇」という組み合わせは、実際にはあり得ないことは
よく知られてますね。というわけで、「偶ー奇」の場合さえ
調べれば十分です。)

さて、直角三角形の外接円の半径Rはc/2で、斜辺CAの中点です。
この場合、Rは必ずしも自然数ではなく、特に”既約”な場合は、
cは必ず奇数なので、Rは半整数になってしまいます。
似たようなものなのに、性質が違うんですね。(当たり前? (^^;; )

なか さん

直角をはさむ2辺をa,b、斜辺をcとすると、
直線と点の距離の公式から、内接円の半径は、
r=ab/(a+b+c)であることがわかります。
ここで、三平方の定理をたくみに変形すると、分子の2倍は、
2ab=(a+b)^2−c^2 となるので、
r=(a+b−c)/2となります。
ここで、a^2+b^2とc^2は等しいので当然奇偶は一致、
したがって、a+bとcも奇偶は一致、
以上により、r=(a+b−c)/2は常に整数である。

モルモット大臣 さん

直角三角形の三辺の長さをa>b>c(a,b,cは正の整数)、半径をrとおきます。
三平方の定理からa^2=b^2+c^2, 直角三角形の面積からbc/2=r(a+b+c)/2
これよりr=bc/(a+b+c)と表せます。ここでr^2を考えてr^2=(bc)^2/(a+b+c)^2
=(bc)^2/(a^2+2ab+2bc+2ac+ b^2+ c^2) ここでa^2=b^2+c^2より
=(bc)^2/(2a^2+2ab+2bc+2ac)
=(bc)^2/2(a+b)(a+c)よってr^2=b^2c^2/2(a+b)(a+c)-----#1
ここで a^2=b^2+c^2を変形し
a^2-b^2=(a-b)(a+b)=c^2,a^2-c^2=(a-c)(a+c)=b^2から
a+b= c^2/(a-b), a+c= b^2/(a-c)を #1に代入して
r^2=b^2c^2/2(a+b)(a+c)=(a-b)(a-c)/2-----#2
またa^2-b^2=(a-b)(a+b)=c^2でa,b,cとも正の整数であることからこの式が成立する
ためにはa-b=M^2X, a+b=K^2X (X, Mは1以上の整数かつK>M)となる必要がある。
このときc=MKXである。a-b=M^2X, a+b=K^2Xからa=(K^2+M^2)X/2となる。
よって #2に a-b=M^2X、a=(K^2+M^2)X/2、 c=MKXを代入して
r^2=M^2X{(K^2+M^2)X/2-MKX}/2=X^2{(K^2-2KM+M^2)/2}/2
=M^2X^2(K-M)^2/4
ゆえにr=M(K-M)X/2-----#3 そこでM,K-M,Xの偶奇数の判定をすれば良い。
さて a,bともに奇数の時はその差である a-b, a+bは偶数であり、したがって a-b=M
^2X、a+b=K^2X からM^2X、K^2Xは偶数。この時Xが偶数であればr=M(K-M)X/2において
M,K-Mが整数よりrは2で割切れ正整数。もしXが奇数であればM^2、K^2がともに偶数よ
りM,Kとも偶数となり#3は2で割切れ、rは正整数。
次にa,bともに偶数の時はその差であるa-b,a+bもやはり偶数であり、したがってM^2
X、K^2Xは偶数。同様にXが偶数であれば r=M(K-M)X/2はM,K-Mが整数よりrは2で割り
切れ、正整数。Xが奇数であればM^2、K^2がともに偶数であるためM,Kとも偶数となり
#3は2で割り切れ、rは正整数。
さらにa,bが奇数、偶数あるいは偶数、奇数の組み合わせの時はその差である
a-b,a+bはともに奇数であり、したがってM^2X、K^2X はともに奇数。このことからM
^2,K^2,Xがいずれも奇数であることよりM,K,Xは奇数。
よってr=M(K-M)X/2においてM-Kは奇数-奇数であり偶数となることから、やはり#3は
2で割り切れ、rは正整数となる。

以上から題意の内接円の半径は常に正整数となる。

ふじさきたつみ さん

直角三角形ABCの3辺をa、b、cとする、(cが斜辺)
m、nを自然数とすると、a=m^2−m^2、b=2mn c=m^2+n^2であらわされる。
△ABCの内接円の半径r=ab/(a+b+c)
=(m^2−n^2)*2mn/(m^2−n^2+2mn+m^2+n^2)
=n*(m−n)      となって、これは整数なので、整数以外にはならない。

小杉原 啓 さん

三角形の三辺の長さをA,B,Cとおく(斜辺がC)。(A,B,C:自然数)
また、内接円の半径をrとおく。
すると、三平方の定理より、
A^2+B^2=C^2…@
が成り立つ。
また、この三角形の面積は、
AB/2=r(A+B+C)/2…A
@の両辺に2ABを加えてC^2を左に持って行くと、
(A+B)^2-C^2=2AB
これとAをあわせると、
2r(A+B+C)=(A+B)^2-C^2
2r=((A+B)^2-C^2)/(A+B+C)
  =A+B-C
∴r=(A+B-C)/2
ここで、@より、A+BとCの偶奇は等しいので、
A+B-Cは偶数であることがわかる。
よって内接円の半径rは整数(自然数)値をとる。

老眼鏡 さん

証明 3辺が整数の直角三角形の辺の長さは明らかに相異なるので
    3辺の長さを a,b,c(a<b<c)とすると
    
    内接円の半径=a×b/(a+b+c)=(a+b−c)/2

    ここでa,b,cの偶奇性を調べると、a^2+b^2=c^2
    より、3数のうち、1個または3個とも奇数ではありえない
    ので、(a+b+c)/2は整数となります。

BONZ さん

ピタゴラス数は、
( x^2 - y^2 ), 2xy, ( x^2 + y^2 ) で表される。
それを各々、
a = x^2 - y^2, b = 2xy, c = x^2 + y^2
とおくと、
a^2 + b^2 = c^2
内接円の半径を r とおくと、直角三角形の面積Sは下記の2通りで表すことができる。
S = r(a+b+c)/2 = ab/2
∴r = ab/(a+b+c)=(x-y)y
よって内接円の半径は、3辺が整数であれば常に整数である。

ミミズクはくず耳 さん

直角三角形の三辺の長さを整数a, b, cとし、cを斜辺とする。
すると内接円の半径rは、r = (a+b-c)/2
ここで、整数を2乗しても奇偶は変わらないことと、
a^2+b^2 = c^2 から、a,b,c は
奇数、奇数、偶数
奇数、偶数、奇数
偶数、奇数、奇数
偶数、偶数、偶数
のどれかになる。
どの場合も a+b-c は偶数になる。
したがって、rは必ず整数になる。

ちーくん さん
辺の長さがa,b,c(cが斜辺)の内接円の半径は(a+b-c)/2となります。
で、a^2+b^2=c^2となるa,b,cの組み合わせは{a,b,c}={偶数}(←これってありましたっけ?)
か{a,b}={偶数、奇数}、c=奇数の場合しかありません。
ということはどっちの場合でもa+b-cは偶数になるということなので、半径は整数になる。

takuさん
3辺をm^2+n^2,2mn,m^2-n^2(m,nはm>nである自然数)とすると、
内接円の半径rは m^2+n^2=2mn-r+m^2-n^2-rより
2r=2mn-2n^2    r=mn-n^2
となり必ず整数で表される。

虚数 さん

ピタゴラス三角形の三辺を
   a,b,c    c^2 = a^2 + b^2
とする。互いに素としてよい。

[略解1]
内接円の半径をrとすると、よく知られているように
r = (a+b-c)/2
さてこれまたよく知られているように
a,bのいずれかは偶数、他方は奇数、斜辺cは奇数
よって a+b+c は偶数で
上式分子 a+b-c = a+b+c -2c は偶数
よってrは整数

[略解2」
よく知られているように
a = m^2 - n^2  ( m > n ),  b = 2mn, c = m^2 + n^2
とおいてよい。
よく知られている r = (a+b-c)/2 に代入して
r = n(m-n)
を得る。

[略解3]
略解2で
よく知られている r = ab/(a+b+c) に代入して
r = n(m-n)
を得る。

QPer さん

奇数の2乗は奇数、偶数の2乗は偶数だから、三平方の定理を満たすものは直角をはさむ
辺が奇数と偶数で斜辺が奇数である。また、3辺が偶数のものは2で割れていき、より小さ
い相似な三角形(3辺が偶数でないもの)ができる。つまり、直角をはさむ辺が奇数と偶数で、
斜辺が奇数のものしか存在しない。そこで内接円の半径は、直角をはさむ2辺の和から斜
辺を引いて2で割ったものだから、整数になる。

巷の夢 さん

三辺の長さをa(斜辺),b,cとし、内接円の半径をrとする。
面積の関係から、r=bc/(a+b+c)、a2=b2+c2の関係を使い、変形すると、r=(b+c-a)/2
因ってb+c-aが奇数となる場合に半径は整数で無くなる。
しかし、a2=b2+c2の関係から3数が奇数、1数のみ
奇数の場合はありえず、b+c-aは偶数なのでrは整数のみである。

信三 さん
条件を満たす直角三角形の斜辺の長さを c、他の2辺を a,b とすると、c*c=a*a+b*b
従って、a*a=(c-b)(c+b)
この関係から、a,b,c すべてが偶数か、奇数が2個で1個偶数という場合以外
は矛盾が起こることが証明されます。

従って、三角形の半周の長さ、(a+b+c)/2 は、整数になります。

各頂点から、内接円の接点までの長さは、半周の長さから対辺の長さを引いたも
ので、これも整数値になります。

直角の頂点から接点までの長さは、内接円の半径に等しいので、これも整数値に
なります。