第36回  問題 (1月5日〜2月4日
Nさん と Yさんが お互い400円づつ出して ゲームを始めました。勝ったほうがすべての お金をもらえるというわけです。
ところが Nさんが 1勝したところでゲームを中断するはめになりましたので お互いが出したお金を その場で分けることになりました。
お互いが不服のないように分ける時 Nさんが受け取った金額を次の2つのようなゲームをした場合について答えてください。
(1) 先に3勝したほうが 勝ちとして お金をすべてもらえるようなゲームの場合   たとえば 3勝2敗になったらもらえる
(2) 勝敗で5つの差がついたときに お金をすべてもらえるようなゲームの場合   たとえば100勝95敗になったらもらえる

ただし このゲームを1回するとき Nさんと Yさんの勝つ確率は 同じものとします。

 
(1)の解答

勝ちを○負けを×であらわします

このあと試合をつづけたとすると
  @の状態では 当然800円がNさんのものになります。
  Aの状態でもそうです 
  Bになると2勝2負なので 元金を400円づつ分けて終了になります。
  そうすると Cのときには AとBの平均の(800+400)/2をNさんが受け取ることになります。……なぜ平均にするとよいかは後ろの解説を見てください
  同様にDでは @とCの平均で (800+600)/2=700円をNさんが受け取ります。
  Eでは1勝1敗なので 400円づつ分けますね
 ですから 現在は DとEの平均の (400+700)/2=550円をNさんが受け取るとよいわけです。



平均を考えるとよいわけ
 Cの状態になったとします。Nさんについて考えましょう。
 もし Nさんが勝つと800円もらい 負けると400円もらうことになります。すると Nさんは どちらにしても400円はもらうことになるので
 先に400円を払っておきましょう。
 するとCの状態で Nさんは 勝つと400円もらい 負けると0円になり、Yさんは勝つと400円もらい 負けると0円になることになります。
 ということは Cの状態でお互い200円を出し合い 400円をかけて1回勝負をしてることと同じです。
 ですから Cの状態でやめる時は Nさんは 400円+200円=600円 もらい Yさんは 200円もらって勝負をしない というのが 解決案です。

 

より一般的に a円を勝つとNさんが 勝つとx円もらい負けるとy円もらうとします(x>y)
 Nさんは どうせy円は貰うので先にもらっちゃいます。
Yさんは 勝つと(a-y)円もらい 負けると(a-x)円もらいます。 
 Yさんはどうせ (a-x)円はもらうので さきにもらっちゃいます。

するとこのゲームは Nさんにとっては勝つと (x-y)円もらい まけると0円もらうゲームになります
             Yさんんいとっては 勝つと (a-y)-(a-x)=(x-y)円もらい 負けると0円もらうゲームになります。
ということは (x−y)円のゲームを始める寸前でゲームをやめることと同じですから これを等分してわけて ゲームをしない
というのが一番の解決策です。
ということで Nさんのもらう金額は y+(x-y)/2=(x+y)/2 Yさんのもらう金額は (a-x)+(x-y)/2=a-(x+y)/2となります
つまり 上の図のDとEの平均となるわけです。

(2)の解答
このゲームは 400/5=80円を1回の勝負がきまるつどお互いにやり取りするというゲームと同じです。
5つの差ができた時に 400円の持ち金がなくなっておわるというだけの話です。
ですから Nさんが1回勝ったということなので Nさんが80円儲けてるといいわけですから Nさんの受け取る金額は480円です。


より詳しい解説
お互いお金を出すのではなく相手から
@の状況でa円受け取るとします
Aの状況では1勝1敗ですから0円受け取ります。
Bでは  上で解説したように @=(A+B)/2より  B=2×@-Aですから B=2×a-0=2a円受け取ります
Cでは 2勝1敗なので 1勝0敗と同じ状況です。よってC=@=a
Dでは B=(C+D)/2より D=2×B-C=2×2a-a=3a
Eでは 3勝1敗なので 2勝0敗と同じ状況です。よって E=B=2a
Fでは D=(E+F)/2より F=2×D-E=2×3a-2a=4a
Gでは 4勝1敗なので 3勝0敗と同じ状況です。よって G=D=3a
Hでは F=(G+H)/2より H=2×F-G=2×4a-3a=5a

Hの状況で5勝したので400円受け取る
つまり 5a=400から a=80円ということがわかります。
問題文のルールだろ400円だしたので 480円受け取るということです


たとえばDの状況を考えるとよくわかるがEとFの平均がDそしてEになることと その前のBになることが同じ
つまりBとFの平均がDということになります。 つまり BDFは等差数列になっていることがわかります。
ですから この勝負の数字が5勝の差でも10勝の差でも同じように計算できることがわかります。


この(2)のような問題を入試では見かけないので どうしてだろうと思ったら 上のような結果になりました。
だから入試では出ないんだ ということを知りました(勉強不足…)
(1)は期待値の問題になるので 確率を出してもできるのですが それは皆さんにお任せしようかなあ と…。