第35回  問題 (12月5日〜1月4日
A市の人口は9870650人 B町の人口は4300210人です。 あるときA市が開発され
その次の年から毎年 A市へ B町の人口の98%が 都会をあこがれて引越し
           B町へ A市の人口の1%が 田舎をあこがれて引越すようなりました。
この2つの街には他の街からの引越しはないものとして 20年後のB町の人口を整数で求めてください。

なお計算上小数が付くときがありますが 途中計算は四捨五入して計算しても そのまま計算してもよいことにします。
最後の答は四捨五入して下さい


解答
四捨五入で計算すると
1年目 A市 13986149人 B町 184711人
2年目 A市 14027304人 B町 143556人
3年目 A市 14027304人 B町 143556人
4年目 A市 14027716人 B町 143144人
5年目 A市 14027770人 B町 143140人
6年目 A市 14027770人 B町 143140人

ですから 5年目以降は 人口はかわらないことがわかります。
20年目は 143140人


解答2

両方の人口をあわせると 14170860人ですから
n年目のB町の人口をa(n)人とすると A市の人口は 14170860-a(n)
よって翌年の人口は 
      a(n+1)=0.01(14170860-a(n))+0.02×a(n)

      a(n+1)=141708.6+0.01×a(n)
    これから 
      a(n+1)-143140=0.01(a(n)-143140)

たとえば  a(5)-143140=0.01(a(4)-143140)
               =0.01×0.01(a(3)-143140)
               =0.01×0.01×0.01(a(2)-143140)
               =0.01×0.01×0.01×0.01(a(1)-143140)  
               ≒0ですから
 a(5)=143140になることがわかります
これから 5年目以降は すべて 143140人になります

20年にすると 1年づつ計算する気がなくなるかなと思ったからです(意地悪ほげ でした) 

ひとりごと
この収束が結構はやいので驚きました。計算してみるとあたりまえなのですが
全体の人口をaとすると収束値をXとして
  a(n+1)=0.01(a-a(n))+0.02×a(n)から 
  X=0.01(a-X)+0.02Xから 
  0.99X=0.01a
     X=a/99となります

解答のようにやると 算数問題になりますが あえて 数学問題として出題しました。
そうすると 隣接2項間の問題として考える方が多いのではないかと思ったからです。
むしろ  隣接2項間の問題としてとらえ  =0.01×0.01×0.01×0.01…のあたりでニヤリと
して欲しかったのです。

設定が極端で 現実とは合わないことは重々知っていますが
お許し下さい