第8回  解答 (7月5日〜8月4

正解者掲示板作成しました 

 ある会社のキャラメル箱には「あ」「た」「り」という文字の書いたカードが1枚だけ入っています。
この3枚のカードを集めると もれなくキャラクターバッジがもらえます。さて、この3枚のカードを
手に入れるには平均何個のキャラメルを買うといいのでしょうか。なお3枚のカードの出る確率は
すべて1/3であるとします。

解答
まず2枚の異なるカードを持っていて3枚目を手に入れるまでの回数の期待値を求めます。
この問題をはずれとあたりのあるくじがあってあたりを引く問題と考えます。
あたりを引く確率が1/3であるくじからあたりを初めて引くまでの枚数の期待値という風に考
えるわけです。
その期待値をE(3)とします。
 まず1枚引くとそれがあたりの人はこれで引くのが終わりで、それがはずれの人は平均して
さらにE(3)枚引くと当たりになりるわけですから引く枚数の全員の平均は、1/3×1+2/3×(E(3)+1)
でこれがE(3)に等しいことになりますから
E(3)=1/3×1+2/3×(E(3)+1)
これからE(3)=3

次に1枚なにかカードを持っていて3枚目を手に入れるまでの回数の期待値を求めます。
この問題をはずれとあたりのあるくじを引く問題と考えます。
つまりあたりを引く確率が2/3である袋からあたりのくじを引きあてるまでの枚数の期待値
を求めるのです。
その期待値をE(2)とします。
まず1枚引くとそれがあたりの人はあとE(3)枚をひくと3枚そろいます。
それがはずれの人は仕切りなおとなり、平均してE(2)枚引くと3枚そろいます。
よって上と同様に 
E(2)=1/3×(E(2)+1)+2/3×(E(3)+1)
これからE(2)=9/2

以上から 3種類そろえるには1+9/2=11/2個のキャラメルを買うということになります。

解答(私が考えたへんな解答)
期待値=平均値=濃度 という問題で考えると次のようになります。
まず2枚異なるカードを持っていて3枚目を手に入れるまでの回数の期待値を求めます。
砂糖水の問題で濃度1/3のとき1を得るためには何回コップで何回掬うとよいかという問題と
考えると 1÷1/3=3回となります。

次に1枚カードを持って2枚目のカードを手に入れるまでの回数の期待値は
砂糖水の問題で濃度2/3のとき1を得るためには何回コップで何回掬うとよいかという問題と
考えると 1÷2/3=3/2回となります。
よって3+3/2+1=11/2となります

解答(ほとんどの人がやるであろう解答)

まず次のことを確認しておきます

1+x+x^2+x^3+...+x^n=(1-x^(n+1))/(1-x)より 微分して
1+2x+3x^2+4x^3+...+nx^(n-1)=(-(n+1)x^n×(1-x)+(1-x^(n+1))×(-1))/(1-x)^2
0<x<1のとき n→∞とすると 上の式→1/(1-x)^2 となります


さて 次に2枚持っている人が3枚目を手に入れる期待値を求めます

枚数X  1     2        3          4       ...  n
確率P  1/3 2/3×1/3 (2/3)^2×1/3 (2/3)^3×1/3    ...(2/3)^(n-1)×1/3  から
から
E=1×1/3+2×(2/3)×1/3+3×(2/3)^2×1/3+...+n×(2/3)^(n-1)×1/3
 =1/3(1+2×(2/3)+3×(2/3)^2+...+n×(2/3)^(n-1))
ここで上のことからx=2/3として E→(1-x)×1/(1-x)^2=1/(1-x)=3となります。


同様に1枚持っている人が2枚目を手に入れる期待値を求めます

枚数X  1     2        3          4       ...  n
確率P  2/3 1/3×2/3 (1/3)^2×2/3 (1/3)^3×2/3    ...(1/3)^(n-1)×2/3  から

E=1×2/3+2×(1/3)×2/3+3×(1/3)^2×2/3+...+n×(1/3)^(n-1)×2/3
 =2/3(1+2×(1/3)+3×(1/3)^2+...+n×(1/3)^(n-1))

上のことからx=1/3として E→(1-x)×1/(1-x)^2=1/(1-x)=2/3

よって 1+3/2+3=11/2 となります

Eを出す方法は公比をかけて引くという方法もあります

解答 プログラムによる 高田修成さんの方法

Count:=0;
  for i:=1 to 1000000 do
    begin
      for j:=0 to 2 do
        atr[j]:=False;
      repeat
        Inc(Count);
        atr[round(random(3))]:=True;
        Flag:=True;
        for k:=0 to 2 do
          if (atr[k]=False) then
            begin
              Flag:=False;
              Break;
            end;
      until Flag;
    end;
  ai(Count);

100万回やって合計を出しただけです ということでした。
解答(老眼鏡さん 有無相生さん モルモット大臣さんの解答)
n枚買うと3種類すべてそろう確率は3*[2^(n-1)-2]*(1/3)^n (n>2)
p(n)=3*[2**(n-1)-2]*(1/3)**nとおいて
あとは、Σ(n=3→∞)n*p(n)を求めればよいことになる。
これをEとおくと、
E=Σ(n=1→∞)n*p(n)+1
=Σ(n=1→∞)[n*(2/3)^(n-1)-2*n*(1/3)^n]+1
Σ(n=1→∞)n*a^(n-1)の計算は、
f(x)=Σ(k=1→∞)a^(k-1)*x^kとおいて、
f'(1)に等しいので、
Σ(n=1→∞)n*a^(n-1)=1/(1-a)^2
E=9-2*9/4+1=11/2
となります